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介護で起きる腰痛に、改善の光を当ててみよう

 

介護はたいへんなお仕事です

こんにちは。
大分市は明野、猪野地区の整体院、
腱引き整体 大分からだ改善庵の諫山です。

私のところにも、介護で腰を痛めてしまったかたがちょくちょく来られます。

人の体というのは重く、また安定しないもので、
そんなお体を一日中お世話しなければならないのですから…
介護職の方々には頭が下がる思いです。

腰の痛みを癒そうと思っても、お仕事を長期間休むわけにはいかず、
痛む腰をがんばって仕事をすれば、また腰に負担が増え続ける悪循環

整形などへ行ってみても、仕事のせい、職業病と言われるだけ。
帰宅して湿布を張ってやりすごすしかなく。

ひどくなってくればサポーターが手放せなくなって、介護者本人がリハビリのお世話になってしまう…こんな人も多いのではないでしょうか。

痛みの悪循環を断ち切るには、腰の改善とともに、介護における「体の使い方」を考えていく必要があると思います。

今回は人の体を動かす際の、簡単なアドバイスも書いてみようと思います。

・人の体はバーベルよりも持ちにくい

どんな仕事にも慣れというものがあります。

人は繰り返す行動にだんだんと最適化されて、うまくなっていくものです。

ただ、介護職は人手不足。
人の体を動かしたりということを、講習で練習しただけで仕事を始めて、
慣れない動きに腰を痛めてしまうことも多いようです。


たとえば50キロの重さがある、バーベルと大きな水袋。
持ち上げるのに、どちらがたいへんだと思いますか?これは水袋になります。水袋を持ち上げようとしても、袋の中で水は右に左に動いて安定してくれません。結果、持ち上げるのに体のあちこちの筋肉を使わなければならず、負担がかかってしまうのです。人体も水袋と同じ。

肉体というのは柔らかなもので、起こしたり抱えたりしようとしても安定してくれずに、持ち上げるのにもひと苦労です。

また、介護を受ける側の状態によっても持ち上げ方は変わってしまいます。

自分から身体を起こそうとする人、まったく力の入らない人。

どこかを痛めてしまっているから、そのままでは起き上がれない人…。

介護を行う人は、それぞれの状況に合わせて起こし方を使い分けなくてはいけません。

そして、とにかく起こそうとして頑張る…

その頑張りがむしろ、体を痛めてしまうのです。

・頑張るのは体によろしくない


頑張りというのは「力み」です。

「力む」というのは身体の一部分ばかりを頑張らせている状態です。

実は、「力を出すこと」「力むこと」はちょっと違うのです。

人の体を動かすとき、体の負担を減らすには、むしろこの「力み」の部分をなるべく使わないようにしてあげないといけません。

力み、頑張りを使わずに力を出そうとするには、体のすべてを効率的に使わなくてはいけなくなります。

それが、腰や膝に負担をかけにくい動きとなってくるのです。


・介護時の体の使い方

ここでいくつか、介護の際の体の使い方をお話しします。

・介助者に近づく。

介助者と自分との、胴体の距離を近づけてあげることが大事です。
胴体が近ければ、腕力ばかりにたよらずに全身の力が使いやすくなります。
腕力に頼った「力み介護」が、腰痛の大きな原因でもあります。


・重心を落とす
 

介助者の体を動かす際に、腰、おへそあたりを意識して、腰を少し落としてみます。
腰を落とすことで、下半身の力が上体に伝わりやすくなり、前のめりにもなりにくくなります。結果として腰への負担が軽減します。上半身が前へ出る「前のめり介護」はとくに腰への負担大! です。

床のものを拾うときなど、腰を曲げずにきちんと膝を曲げ、しゃがんで拾いましょう。

・脇を締める

介助の際にはどんな動きでも、わきの下を締める意識を保ちましょう。ボールのようなものがわきの下に挟まっていて、それを落とさないように動く、という感じをもつとよいかもしれません。

両手を広げる作業では、それに応じてわきの下のボールも大きくなります。
この意識は胴体の力を腕へと効率的に伝えてくれます。結果として腕力ばかりではない、無理のない動きができるようになります。

・相手と寄りそう意識をもつ

これは心情的な意味合いばかりではなく、身体操作でも大事な意識です。

相手と寄り添い、ともに動く。ダンスで、パートナーを導いてあげるような感じ。

介助者を一方的に動かそうとするのではなく、自分もいっしょに動いてあげる意識をもつと、一部分が頑張りすぎずに体全体で動くようになってきます。

また、介助者の緊張も緩みますので、動きやすくなってくれます。

 

これらは、私が練習している武術的な動きの一端でもあります。

ほかにも、基本的な動きはたくさんあります。

相手と重心を近づける。意識を遠くへ向ける。介助者を丸めて動かす、などなど…。

そういったことを覚えることも、これから先、働きながらも身体を労わるうえで大事な要素になっていくと思います。

・まずは腰痛の改善を

日本整形外科学会では、腰痛の予防と治療をこのように書いています。

腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰え、また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛がおきやすくなります。悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど日常的姿勢に注意し、また腰の支持性を高めるための運動や体操を継続されるとよいでしょう。 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
こういったように。
姿勢と動きとを見直しながら、腰痛の改善にもアクセスしていく必要があります。

腱引きでは慢性的な腰痛で固まってしまった筋肉の腱、スジを調整し、
全身の連動を整えていきます。

腰痛の改善には、動きの改善と腰の筋肉の改善を、
同時進行で進めていくことがなにより大事。

現在、介護施設へ入所される年配の方々の人数はうなぎのぼりです。

だが、それと反して介護の人手は足りていないのが実情です。

介護で働いていて、腰や膝を痛めてしまっている人はとても多い。

人の体を動かすことに慣れないのに、いきなりのハードワークで痛めてしまうのです。

荷物を持つようにはいかず、人の体を動かすにはコツがいる。

重心移動。言葉の誘導。体の使い方。

私の整体院では、腰痛を改善しながら、
体を痛めにくい動作を提案させていただきます。

この場所が、長く働ける体づくりの一助となれば幸いです。

 

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